つれづれと雑文

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「シン・ニホン」読書会の参加に寄せて(兼・自己紹介)

はじめましての方は、はじめまして。

マッキーと申します。

41歳男性で,小学校の教員をしています。

 

今回,以前から親交のあるじんぺー君が面白そうな会を企画してくれたので,参加してみることにしました。

 

 

で,今回のエントリーはこの読書会に参加するにあたり,「自分がこれまでに実践してきたこと・これから実現したいこと(勿論シン・ニホンに関連する内容)」を整理しつつ,読書会に参加される方への自己紹介になればいいなぁと思いながら書きました。

 

ですので,基本的にはこの後は「シン・ニホン」(以下「同著」)の読了を前提に進めます。各所で語られている事ではありますが,この国の未来を考える上では必読の名著だと私も思います。

 

このエントリーの内容は,以下の2点です。

 

1.教育現場の最前線にいる者として実践してきたこと・これから実現したいこと

2.校外の某プロジェクトに参画している者としてこれから実現したいこと

 

では本編に進みますね。

 

1.教育現場の最前線にいる者として実践してきたこと・これから実現したいこと

 

前述のとおり,私は現在小学校の教員で,学級担任をしています。ですが,元々は中学校の教員で,専門は数学です。大学では経営工学を学び,卒業論文統計学で書きました。そう,同著で随所で語られている「道具としての数学」を大学で学んでいるのです。

統計的にものを考える力がない人,統計的なセンスがない人がそもそもデータを適切に扱うことはできない。(同著p.166より)

 

ですので,算数数学教育の中でもとりわけ統計教育には熱が入ります。同著が発売される前から,数多くの実践をしてきました。勿論これからの時代に欠かせないリテラシーだからという理由もありますが,それ以上に自分が好きだから,ですね(笑)

 

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2013年の実践(時代を感じる端末ですね笑)

たとえばヒストグラムを自動生成するマクロを仕込んだExcelを使って授業をしたり。

 

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導入のスライド

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4年生がつくったグラフ

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4年生がつくった二次元表

たとえば「コンサルタントになろう!」と銘打ち,保健室のリアルデータを分析してけが人を減らす解決策を提案する(養護教諭に教室に来てもらって班ごとに発表する)授業を企てて実践したり。

 

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「空いている本棚にどんな本があったらいいと思う?」

来年度の予算で買う図書室の本を提案してもらったり(これも実際に提案書としてまとめて学校に提出しました)。

 

他にももっといろいろあるのですが,こういった実践を通して「データを活用するって面白いな,便利だな」と子どもたちが肌で感じてくれたらいいなぁと考えています。

 

リアル空間を知ったり,よくするためにデータの力と面白さを実感してもらう。身の回りからデータを取り,それを使ってなんらかのパターンを見出す訓練を導入し,共にサイエンスとは何かを生々しく理解することを促進する。(同著p.242より)

 

また,こういった学習の後には必ずビッグデータという言葉を用いて価値付けをします。

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授業で実際に使った画像

スマホやSwitchといった子どもたちにとって身近な言葉を用いながら,データがいかに価値があるものかを熱く語ります。

 

言うまでも無い事ですが,今回の学習指導要領改訂(算数・数学)では統計教育の充実が強く押し出されています。算数では「データの活用」という新しい領域も誕生しました。シン・ニホンの価値観にとっては,確実に追い風ですね!

www.dainippon-tosho.co.jp

余談ですが,統計教育の充実については内閣府経産省からかなり強いプレッシャーが文科省にかかったそうです。ひょっとすると,同著でも触れられている安宅さんの官公庁への”投げ込み”が影響しているのかもしれませんね。「統計教育に偏り過ぎているという批判もあるけど,これでもかなり譲歩してもらったんだよ…」と,文科省のある方から銀座のBarで聞きました(笑)

 

 

2.校外の某プロジェクトに参画している者としてこれから実現したいこと

 

 

 私は現在,ご縁があって学習者用デジタル教科書に関するプロジェクトに参画しています。Zoomで何度か打ち合わせをしていますが,画面の向こうにいる大学教授の面々が大物過ぎて震えています(苦笑)。

 

そもそも学習者用デジタル教科書って何?という方はこちらをどうぞ。

www.mext.go.jp

 

まぁ早い話がタブレットが紙の教科書代わりになるということです。厳密にはデジタル教科書と動画や音声などのデジタル教材は違うもので・・・とか色々ありますし,そもそもデジタル化に懐疑的な声があることも承知していますが,今回の本筋とは逸れますのでそのあたりはざっくりと省略します。

 

このプロジェクトで私が求められているのは「デジタル教科書を用いた教育実践」です。授業でデジタル教科書をこう使えばいいですよねー,効果的ですよねー,みたいな。ですが,シン・ニホン的な視点で捉えて,私はデジタル教科書(や教材)で得られたデータをどう現場で活用していくのか,ということを考えています。

 

たとえば先日,このような記事を目にしました。

prtimes.jp

 

Lentranceは教科書会社の最大手である東京書籍が,デジタル教科書のビュアーとして採用しています。ですので,このプラットフォームに集まるデータは相当なビッグデータになるはずです。記事内でも触れられていますが,得られたデータをどう指導に活用していくか,目の前の子ども達を伸ばしてくかを考えるためにどのようなデータをとっていけばよいのか,といったことを考えて実践することがこれからの教員には求められていくと私は考えています。よく言われる「指導の改善」ってやつですね。

 

そうそう,あまり知られていませんが,文科省ではこんな動きもあります。

www.mext.go.jp

例によって現場からのお決まりの批判が飛んできそうな案件ですし(苦笑),実現には高いハードルがあるのはわかるのですが,これはシンニホン的にはかなり胸熱案件だと私は思います。だって学学調査がCBTになったら,必然的に全国の学校で行われているテストがCBTになると思いません?採点業務が激減し,評価も瞬時に出せて,目の前の子ども達のデータを分析して日々の授業に生かすことが出来るなんて・・・ワクワクしませんか?(私だけ??)

 

誤解しないでいただきたいのは,国の教育政策を礼讃したいわけではないのです。もちろん大局観も大切でしょう。しかし,本当に大切なのは各々がそれぞれの持ち場で手を動かして景色を変えていくことだと私は思います(このあたりはシン・ニホンの読者は共感いただけるはず)。

 

大切なのは,自らハンドルを握り,どうしたら希望の持てる未来になるのかを考え,できることから仕掛けていくことだ。(同著p.3より)

 

私が今の立場で出来ること。それは数学(算数)教師として統計教育を充実させること(その価値を広めること),そして学習者用デジタル教科書プロジェクトへの参画を通して教育におけるデータの活用について考えて提案することです。

 

 

・・・うまくまとまりませんが,このようなことを考えている人間です。読書会に参加される皆様,どうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m

 

最後まで読んでいただき,ありがとうございました。