「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」をベースにした私の仕事術その2
石膏像を彫るとき、「眉毛」から始める人はいない
前回のエントリーに引き続き,中島聡さんの「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」を太字で引用しながら,私の仕事術について紹介させていただきたいと思います。
この本が他のハウツー本と一線を画しているところは、まあいろいろあるのですが(笑)、私が特に魅力的だと感じているのは
・世の中で当たり前に言われていることであっても,たとえ話が秀逸なので腑に落ちる
・ビルゲイツをはじめ,著者のマイクロソフト時代のエピソードが面白い
の2点です。
冒頭に挙げたたとえも,「まずざっくり全体像をつくってから,細部を詰める」という当たり前のことを,見事に表現できていますよね。
私はこの段取りをとても大切にしています。
具体例を挙げましょう。よくある「研究授業の指導案づくり」の場合。「いついつまでに指導案の第一案を提出」という締め切りが出た段階で,私はまず単元を決め(指定される場合もあります),それからネットや本,教育書が充実している本屋で立ち読みなどしてまず情報を片っ端からインプットします。そして,「ざっくりこんな感じの授業になるな」というイメージを作ります。
この段階では,以前ツイッターに公開した「戦略的フレームワーク」の考え方も使っていますかね。この図で言うところの「目的→戦略→戦術」の箇所を最初に一気に進めてしまう,ということです。
時間がかかる仕事ほど「最初の一回し」が肝心。「そんなこと,言われなくてもわかっている」と言われそうですが,わかっていても出来ていない(ついつい後回しになってしまう)人が多いのではないでしょうか。
最初に一回し(荒くても,石膏像の全体をつくっておく)さえしておけば,ふとした時間に「あ,あの手を使えばいいんじゃん?」とか「この先生のアイデアを使ってみようかな」といったように,ちょことちょこと仕事が進みます。粗々でもイメージさえ作っておけば,何かの情報に触れたときに「あ,これ使えるじゃん!」とアンテナに引っかかるのです。ツイッター職員室を何気に見ていたときにも,です(笑)。逆に言えば,締め切り間際に頑張るよりも,遥かに効率的であると断言できます。
私は遅くとも締め切りの3日程前,仕上がればもっと早くに指導案を出します。「兵は拙速を聞く」とは孫子の有名な格言ですが,時代が変わっても,やはり不変の真理なのだな,と強く感じます。
また,私はある校務分掌のリーダーをしていますが,人に振る仕事ほど先に全体像をつくるように意識しています。と言うか,そうじゃないと人に仕事を任せることができず,結局自分の首を絞めることになるからです(苦笑)。
もう1つ,「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」から格言を引用します。それは,
あなたの仕事は規則を守ることではない
です。当時の私には,目から鱗でした。育児のためにそれまでよりも作業時間が確保できずに悩んでいたときに「あなたの役割は規則を守ることではなく,仕事を終わらせることです。」という言葉に出会い,ハッとしました。
それ以来,ここには詳細を書けないぐらい(苦笑)私は職場のサーバーから資料をメールで飛ばして,自宅やスタバで仕事をしています。もちろん,個人情報に関するところは細心の注意を払っていますよ。添付ファイルは暗号化もしますし。でも,「学校の資料は全て持ち出してはダメ」と思い込んでいたら,仕事が終わりません。私の場合,妻も仕事をしているので,少なくとも週に3回は17時に仕事を終えて保育園に子どもを迎えに行かねばならないという事情もあります。そして私は仕事のクオリティはなるべく落としたくない。限られた時間の中ではあるけれど,バリューは出したいと考えています。誰かが言っていましたが,定時で終わらせるために仕事をしているわけではないのです。ですので,ガンガン持ち帰ります(笑)
みなさんの置かれている状況はさまざまでしょうけれど,是非この2つの格言
・「石膏像を彫るとき、『眉毛』から始める人はいない」
・あなたの仕事は規則を守ることではない
を,自分の働き方の改善に繋げてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。